2022年10月号特集② 広がるeスポーツ

 eスポーツとはエレクトロニック・スポーツ(electronic sports)の略称で、electronic(=電子)機器を使ってゲームで対戦し、勝敗を競うものです。世界の競技人口は1億人以上と言われ、年々注目度が高まっていますが、一体どんな競技でどのように対戦するのか、よく知らないという人も多いのではないでしょうか? 近年は数千~数万人が参加する国際的な大会が各地で開催され、オリンピックの正式種目入りも検討されています。そこで今回は、eスポーツが国内外でどのように広まり、日本ではどんな大会が行われているのかなどについてご紹介します。

知りたい! eスポーツ ~海外と日本のこれまでの流れ~

海外で広まったのは1990年代後半から

 eスポーツは、コンピューターゲームで対戦し、勝敗を競う競技です。現在プレイされているゲームには、次に挙げたものなどたくさんのジャンルがあります。
格闘ゲーム……キャラクターを操作して相手と戦う
シューティングゲーム……一人称視点で銃撃戦をしたり、チームを組んで対戦したりする
スポーツゲーム……野球やサッカーなど実際のスポーツをゲームにしたもの
パズルゲーム……パズルを組み合わせたり積み上げたりして消していく
カードゲーム……能力値や特徴が設定されたカードを駆使して相手と対戦する
 海外では1990年代後半から欧米や韓国などを中心に広まり、2000年以降は大規模な大会が開かれるようになりました。中には賞金総額が数十億円に上るものも。国際的な大会などはイベント会場での観戦が可能で、競技の模様は大型モニターに映し出され、白熱する試合展開や大観衆が熱狂する様子はオンラインでも配信されます。各国にはプロのリーグやチームがあり、競技を観戦・視聴する人は全世界で約5億人と言われています。今やeスポーツはひとつの産業、文化、エンターテインメントに成長し、その市場は年々拡大しています。

2018年は日本の“eスポーツ元年”

 世界的な盛り上がりに反し、日本ではeスポーツがなかなか根づきませんでした。家庭用ゲーム機の人気が根強く、オンライン対戦型が主流のパソコンゲームが定着しにくかったことや、海外のように高額賞金をかけた大会が開催できなかったことなどがその理由です。他の国に比べ大きく出遅れた日本は“eスポーツ後進国”でした。
 それが2016年頃から注目され始め、2018年には一般社団法人日本eスポーツ連合(Japan esports Union:JeSU)が発足。eスポーツの普及に向けた活動を始めたことをきっかけに認知度が一気に上昇。同年には「ユーキャン新語・流行語大賞」のトップテンに入り、2018年は日本にとって“eスポーツ元年”となりました。
 日本のeスポーツ人口は360万人ほどで他の国と比べまだ少ないですが、今後は増加していくことが予想されます。

盛り上がるeスポーツ ~アジア大会や国体の種目に~

 eスポーツは近年、アジアや日本で開催された国家レベルのスポーツ大会でも行われています。こうしたイベントに、年齢や性別などを問わず誰でも参加できるのが、eスポーツの魅力のひとつです。

アジア競技大会で正式競技として採用

 “アジアのオリンピック”と呼ばれるアジア競技大会は、1951年から4年に一度開催されています。2018年にインドネシアのジャカルタで行われた第18回大会で、eスポーツは初めて公開競技として実施されました。日本からは、高校生と大学生(当時)が代表チームとして*1出場。6つのタイトルのうち、「ウイニングイレブン2018」(サッカーゲーム)で見事優勝を果たし、金メダルを獲得しました。アジア王者に輝いた高校生のレバ選手(プレイヤーネーム)は、「これからも大会に出場して盛り上がるプレイをし、見る人を魅了したい」と今後の抱負を語りました。
 2022年9月に中国・杭州市で行われる予定だった第19回大会は、新型コロナウイルスの影響により2023年に延期に。eスポーツが正式なメダル競技となる予定でしたが、来年に持ち越しとなりました。

*1 8か国から2人1組の計16人が出場。予選リーグ、準決勝、決勝が行われた。

2019年の茨城国体でも

 2019年に茨城県で開催された「いきいき茨城ゆめ国体」で、*2eスポーツ大会が国体史上初めて、2日間にわたって行われました。正式種目としてではなく文化プログラムとして行われたものの、各都道府県の予選を勝ち抜いた小学生から社会人までの約600人が参加し、大いに盛り上がりました。

*2 正式名称は「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」。

▲2000年に始まった「World Cyber Games(WCG)」はeスポーツのオリンピックと言われています。2019年のWCGには世界中から約4万人、111か国が参加しました(写真はWCG 2007開会式)。

photo by Gamerscore Blog
World Cyber Games Seattle 2007 193

参加するeスポーツ ~小学生からエントリーできる大会も~

 日本で開催されている様々な大会の中から、小学生から高校生が参加できるものを取り上げました。これらの大会で腕を磨けば、オリンピックを目指せるかも!?

全国高校eスポーツ選手権

 “eスポーツを日本の文化に”という想いのもと2018年から開催されています。参加条件は、国内在住の高校生、定時制高校生、高等専門学校生(3年生まで)、通信制高等学校生であること、チームのメンバー全員が同じ学校に在籍していること、などです。「ロケットリーグ」「リーグ・オブ・レジェンド」「フォートナイト」の3部門があり、部門ごとにトーナメント戦を行い日本一を競います。

https://www.ajhs-esports.jp

STAGE:0(ステージゼロ)(全国高校対抗eスポーツ大会)

 2019年に開始。2021年の大会には、過去最多の全国2145校、2478チーム、5919人が参加。ライブ配信の総視聴者数は約798万人を記録しました。「クラッシュ・ロワイヤル」「フォートナイト」「リーグ・オブ・レジェンド」で日本一を決定します。4回目となる今年は6月から各ブロック代表決定戦が始まり、7月に全国大会への出場校が決定。8月の全国大会で日本一のチームが決まりました。

https://stage0.jp

全国都道府県対抗eスポーツ選手権

 2019年から毎年開催。栃木で行われる今年の大会名称は「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2022 TOCHIGI」。各地の予選を勝ち抜いた都道府県代表チームが出場する全国大会で、6タイトル10部門の総合成績によって最強の都道府県を決定します。三重県で開催された2021年はのべ8万人を超える選手が参加しました。2022年10月に行われる本大会に向け、7月下旬からブロック大会が開幕、9月には全タイトルの本大会出場者が出揃う予定です。小学生から参加できる部門もあるので、10月15・16日の本大会を配信などで観戦し、次の大会に挑戦してみては?

https://jesu.or.jp/2022tochigi/

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タイムス編集部

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