2020年8月号特集① ICT教育先端校の学び 生徒がイキイキ学ぶ注目校を訪ねて

 ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」のこと。そしてICT教育とは、パソコンやタブレット、インターネットなどの情報技術を使ってコミュニケーションをとる教育のことです。これからの高度情報化社会で活躍するためには欠かせないものですが、日本は諸外国に比べて導入が遅れており、現在、文部科学省が特に力を入れている分野です。
 今回は、ICT教育をいち早く導入し、様々な学びに活用している先端校2校を紹介します。新型コロナウイルスの影響による休校中の在宅学習など先端校ならではの取り組みについても伺いました!

【先端校1】追手門学院大手前 中・高等学校
ロボットプログラミング教育を導入

 2020年で創設70年となる追手門学院大手前中・高等学校。「独立自彊・社会有為」を教育理念とし、多様化する社会において、自ら学び、考え、他者と共に成長できる人材を育成しています。ICT教育においても「ロボットプログラミング教育」を全国に先駆けて導入するなど最先端の学びを取り入れています。

ICT教育による自学自習

 1人1台のタブレットを用いて、「スタディサプリ」「ロイロノート」「Qubena」などのコンテンツを使用しています。また、毎週火曜日から金曜日の6限目終了後約25分間と土曜日3限目の50分間をOM(追手門モジュール)として設定しています。この時間を利用して、タブレットに自身の学習時間や活動を記録したり、電子図書館で読書をしたり、生徒たちは様々な自学自習に取り組んでいます。
 ICT教育の効果は大きく、中でも英語に関しては目に見えて変化が生まれています。中学1年生で、学年終了時に必要な英語力とされている英検5級をほぼ全員が取得しました(94・5%)。さらに英検3級や準2級に合格した生徒もおり、スピーキングとリスニングの力をはかる2次面接では、年間を通して不合格者が出ませんでした。これは、ICT教育によって、スピーキングの宿題を録音してオンライン上で提出することができるようになったり、プレゼンテーション資料をタブレットで作成することができるようになったりして、能動的な発表の機会が増えたことによるものだと考えられます。

▲タブレットを用いての授業風景

▲カフェテリア内に発表の場となる大型スクリーンを設置

グローバルサイエンス教育

 教科や年齢、言葉や文化の違いなど様々な枠を「こえる」学びと、豊かなアイデアや発想、未来への志を「つくる」学びを通して、自ら問いを立て、「こたえ」を導き出す力を養う、「グローバルサイエンス教育」を行っています。
 その一環として、生徒の主体性を伸ばし、これからの社会で生き抜く力を身につけるために、中学校での「ロボットプログラミング教育」を全国に先駆けてスタートしました。1年生はマイコンを用いてプログラミングの基礎を学び、2年生は自律型ロボットの製作を通じてプログラミングを学び、3年生はプログラミングを通して自分自身のキャリアについて考える、というカリキュラムになっています。さらに生徒の興味関心に迫るような発展的な講座の用意もあります。
 また、「追手門大手前チームメディカルサイエンス」として、医歯薬系学部への進学を希望する生徒同士で切磋琢磨し、希望の実現に取り組むプログラムも実施しています。学習面だけではなく、個別の進路指導の他、大学医学部訪問、病院の職場見学や医療関係者の講演といった学びの中で医療への理解を深め、志望学部への進学を多面的にサポートします。
 こうした教育方針を理解し、自ら進んで学び続け、自分なりの考えを表現し、様々な人々と共に学び行動し、人々のため、社会のために役立とうという気持ちを持つ生徒に向いている学校です。様々な学びの機会がありますので、興味のある人は、ぜひ一度見学に訪れてみてください。

学校行事

▲活気あふれる文化祭や修学旅行

部活動

▲世界大会優勝!ロボットサイエンス部

【先端校2】佼成学園女子 中学高等学校
英語教育にもICTを活用

 建学の精神である「国際社会の平和構築に貢献できる人材の育成」を基に「英語教育」と「グローバル教育」に力を入れている佼成学園女子中学高等学校。校訓「行学二道」が表す通り、学業や進路指導面などの机上の学問はもちろん、「5つの実践」を通じて、人間力の向上も図っています。これらの教育において、ICTスキルは必要不可欠なものであると考え、一歩進んだ取り組みを行っています。

ICT教育で才能を発掘

 1人1台のiPadを機軸に、「ロイロノート」や動画を使った反転学習などを実施し、ICT教育を推進しています。反転学習とは、予習を行ってから授業に臨む学習方法で、授業内容の動画などをあらかじめ配信することで可能となりました。生徒が自分のペースで学習を進められるため、個々の理解度が把握しやすく、学習効率を上げることができます。他に、海外の大学や提携校とのオンライン授業や英語における4技能習得、全教科でのプレゼンテーションなどにもICTを活用。高校では「少人数ゼミナール」に所属して各自の研究テーマに沿った探究活動を行っており、中にはアプリ開発のためのプログラミングを行うゼミもあります。
 一方通行の講義形式だけでなく、ICTを使ったグループディスカッションやプレゼンテーション、生徒同士の学び合いや評価を導入したことで、生徒自身が前向きかつ積極的に授業や研究課題に取り組むようになりました。また、暗記の再現が重視される従来の学力観では目立たなかった生徒が、発想力や独創性において力を発揮するなど、ICT教育によって生徒たちの未知の才能を発掘できています。

▲iPadで学習する生徒たち

多彩な英語教育と手厚い進路指導

 特に力を入れている英語教育については、中学・高校共に様々なコースやプログラムを用意しています。
 中学では、音楽と美術科でネイティブ教員による「イマージョン教育」や、ニュージーランド修学旅行、希望者への2か月留学などを行っています。これらにより、4人中3人は英検2級以上を中学時点で取得します。
 高校では、3コース4クラスから自分に合ったコースを選べます。1年間の留学で圧倒的な英語力が習得できる「国際コース(留学クラス)」、タイ・ロンドンでの研修を中心に課題解決型の探究学習を行うことで国際感覚を養う「国際コース(スーパーグローバルクラス)」、難関大学合格を目指して理系志望者は理数科目のオプションも選択できる「特進コース」、充実した部活動と大学進学を両立する「進学コース」の4つがあります。
 また、受験生に対しては放課後に「校内予備校」を実施しています。外部から招いた大学受験専門のプロ講師による講義、専門のフェローによる進路面談や卒業生チューターによる高校生目線の親身な相談などを行い、進路指導を手厚くサポートしています。
 英語が好き、英語が話せるようになりたい、世界で活躍したい、難関大学を目指したい、理数系や医歯薬看護系に進みたい、部活動で青春したい……佼成女子ならどんな生徒にも居場所が見つかります。そして将来的には、「世界のどこにいても立派に暮らしていける強い女性」に成長することができるでしょう。

多彩な英語教育

▲海外での留学や研修

▲ネイティブ教員による指導

▲SGHフォーラムでのプレゼンテーション風景
2014年には、国際的に活躍できるグローバルリーダー育成を重点的に行う高校として、文部科学省が指定する「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に選抜されました。

関塾

タイムス編集部

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