2022年2月号特集① 日本・世界の重大ニュース

 2021年は、前年に引き続き新型コロナウイルスが世界中で大流行。日本では7月以降の第5波により感染者が爆発的に増加しました。そんな中で行われた東京オリンピック・パラリンピックは、開会式やほとんどの競技が無観客で開催され、これまでとは大きく異なる大会に。一方、アメリカ大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が投打の“二刀流”で大活躍。 また、地球温暖化研究により真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞するなど明るいニュースもありました。
2021年を振り返りましょう!
 ※この記事の情報は2021年12月1日時点のものです。

重大ニュース①
緊急事態宣言の中 東京オリンピック・パラリンピック開幕

10代の選手が躍動!

 新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京五輪が7月23日に開幕。17日間にわたって熱い戦いが繰り広げられました。特に目立ったのは10代の選手の活躍です。金メダルに輝いたスケートボード・女子ストリートの西矢椛選手は13歳、女子パークの四十住さくら選手は19歳、女子パーク銀メダリストの開心那選手は12歳(いずれも五輪開催時)。開選手は日本人史上最年少メダリストの記録を更新しました。
 また、日本史上初、同じ日に兄妹で金メダルを獲得した柔道の阿部一二三 ・詩選手や、卓球の混合ダブルス決勝で中国ペアを下し金メダルに輝いた水谷隼・伊藤美誠ペアなどが大きな話題に。次のパリ大会では実施競技から外れる野球・ソフトボールで金メダルを獲得した日本のチーム力の強さにも注目が集まりました。日本のメダル数は金27個、銀14個、銅17個(合計58個)で過去最多。
 8月24日開幕の東京パラリンピックでは金メダル13個を含む51個のメダルを獲得。前回のリオ大会(合計24個)を大きく上回る成績をおさめました。

▲7月23日、無観客の国立競技場で行われた開会式。日本選手団の旗手は、バスケットボール男子の八村塁選手とレスリング女子の須㟢優衣選手。

重大ニュース②
変異株が猛威!新型コロナウイルスが拡大 初のまん延防止等重点措置

第5波で感染者急増

 2021年も新型コロナウイルスに脅かされた1年でした。前年の年末から続いた第3波は年が明けても継続。感染者数は2~3月に一時減少したものの4月頃から再び増加しました。政府は、新型コロナウイルス感染症対策の改正特別措置法で新設された「まん延防止等重点措置」を4月5日から大阪、兵庫、宮城の3府県に初めて適用。従来株より感染力の強い変異株が大阪や兵庫などで急速に広がったためで、この流行が5月まで続く第4波へとつながっていきました。
 日本のワクチン接種は他国に比べ遅れていましたが、医療従事者に続き、4月から65歳以上の高齢者を対象にスタート。大規模接種会場が設置され、企業や大学などで職域接種が実施されるなど全国各地で急ピッチで進められました。ところが、7月になると感染が再び急拡大。新規感染者数は日に日に増加し、ピーク時には1日2万6千人近くにも。この第5波がこれまでとは比較にならないほど大きな流行となったのは、感染力の強いデルタ株が広がったためとみられています。

重大ニュース③
大谷翔平選手46本塁打、100打点、9勝 "二刀流"で最優秀選手に輝く

”ショータイム”に多くの人が熱狂

 メジャーリーグ・エンゼルスの大谷翔平選手が、投打の“二刀流”で大活躍。打者として打率2割5分7厘、46本塁打(リーグ3位)、100打点、26盗塁をマーク。投手では9勝2敗の成績を残しました。オールスター戦に史上初の二刀流で先発出場。11月にはア・リーグ最優秀選手(MVP)の栄冠に輝きました。日本人のMVP受賞は2001年のイチロー選手以来2人目。大谷選手は全米野球記者協会会員30人の投票により満票で選出されました。最終的に11冠に輝き、メジャーリーグの歴史に名を刻みました。

▲エンゼルスの本拠地エンゼル・スタジアムでのレギュラーシーズン最終戦に2番・ピッチャーで出場(2021年9月26日)。
写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

重大ニュース④
地球温暖化研究で真鍋叔郎さんノーベル物理学賞受賞

世界初の「気候モデル」を開発

 10月5日、ノーベル物理学賞がアメリカプリンストン大学上席研究員の真鍋淑郎さんら3人に贈られることが決まりました。日本のノーベル賞受賞者は28人目(アメリカ国籍含む)。
 授賞理由は、「気候変動(地球温暖化)予測に関する研究分野を世界に先駆けて切り拓いた功績に対して」です。
 真鍋さんは1969年、大気循環と海洋循環のデータを組み合わせコンピュータによるシミュレーション(模擬実験)を行い、気象予測するプログラム「気候モデル」を世界で初めて発表。1989年には、大気中の二酸化炭素濃度が増加すると地球全体の気温が上昇することをこのモデルを使って明らかにし、世界に衝撃を与えました。
 真鍋さんの功績は、地球温暖化という世界共通の課題をコンピュータを駆使したシミュレーションで科学的な根拠に基づき証明したことです。この功績により、それまでは経験に基づいて行われていた気象予測の精度が飛躍的に向上し、温暖化問題への関心が一気に高まるきっかけとなりました。

重大ニュース⑤
第100代首相誕生 菅政権から岸田政権へ

10月の選挙は自民党が勝利

 2020年9月に就任した菅義偉内閣総理大臣が就任1年で辞任。10月4日、自民党の岸田文雄総裁が第100代内閣総理大臣に選出されました。岸田内閣発足直後の10月31日に行われた第49回衆議院議院選挙は、岸田政権を有権者がどう評価するかを問う選挙に。また、新型コロナウイルスや経済対策などが争点となりました。
 結果は自民党が過半数の261議席を獲得。公示前の276議席からは減ったものの国会を安定的に運営できる「絶対安定多数」(244議席)を上回りました。連立与党を組む自民、公明両党では293議席。
 一方、野党は立憲民主党を中心に、共産、国民民主、れいわ新選組、社民の5党が、全国289の小選挙区のうち217選挙区で、野党への票が分散しないよう候補者を一本化しましたが、比例区の議席を減らす結果に。立憲民主党は公示前を下回る96議席にとどまりました。これに対して大きく議席を伸ばしたのが日本維新の会で、公示前の4倍近い41議席を獲得しました。

2021年 国内外のその他のニュース

世界のニュース


バイデン大統領就任
 1月20日、アメリカの首都ワシントンで大統領就任式が行われ、民主党のジョー・バイデン氏が第46代大統領に就任。新大統領は就任初日、パリ協定復帰や人種格差解消の大統領令に署名し、公約を果たしました。

ミャンマーでクーデター
 2月1日、ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー国家顧問らを拘束。「国軍が国家の権力を握った」と公表しました。抗議する多くの市民に対し国軍は銃による弾圧を繰り返し、8月半ばまでに千人以上が銃撃を受けるなどして死亡しました。

メルケル首相が引退
 2005年の就任以来、16年にわたりドイツを率いてきたアンゲラ・メルケル首相が引退。ドイツ初の女性首相で、フランスと共に欧州連合(EU)をまとめ世界に安定をもたらしました。温暖化対策や内戦によるシリア難民の受け入れなどで指導力を発揮しました。

米中が温暖化対策協力で合意
 11月10日、イギリスで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に合わせアメリカと中国が共同宣言を発表。両政府は、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の目標達成に協調して取り組むとし、“重要な10年”と位置づける2020年代に行動を加速させると強調しました。

 

日本のニュース


北海道・北東北の縄文遺跡群 世界文化遺産に
 7月27日、UNESCO(国連教育科学文化機関)世界遺産委員会が、「北海道・北東北の縄文遺跡群」を世界文化遺産に、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」を世界自然遺産に登録すると発表しました。これで日本の文化遺産は20件、自然遺産は5件となりました。

眞子さま、小室圭さん結婚
 10月26日、秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんが結婚。眞子さまは皇籍を離脱し、民間人の小室眞子さんに。11月、圭さんの職場があるアメリカへと渡りました。

星出さん、地球に帰還
 11月9日、宇宙飛行士の星出彰彦さんらを乗せた宇宙船クルードラゴン2号機がアメリカのフロリダ沖に着水しました。星出さんは国際宇宙ステーション(ISS)に約半年間滞在。日本人2人目となるISS船長を務めるなどの大役を果たし無事、帰還しました。

▲北海道・北東北の縄文遺跡群のひとつ、三内丸山遺跡(青森市)。

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