関塾が発行する親子で楽しむ教育情報誌、関塾タイムス

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2019年12月号 特集①

Dr.関塾津田元町校にやって来ました!

 今回は、大阪府にあるDr.関塾津田元町校にお邪魔して、塾頭の井手正和先生にお話をうかがいました。
 2016年4月にスタートした新しい教室ですが、教材や指導法に関する井手先生の熱心な研究姿勢が評判です。何事もやりきる井手先生の姿勢に元気が出ること間違いなしです!

まず子どもたちを知ることから

 ―塾を開こうと思われたきっかけからお話しいただけますか?
 学生時代から、一人ひとりを大切にした塾で子どもたちに勉強を教えたいという思いがあり、講師ができる塾を探していました。でも、私が学生だった1995年前後には、関塾のように個別に指導をしているところは、ほとんどありませんでした。唯一、とある学習塾が個別指導を行っていたので、そこに講師として入りました。個別の指導とはどのようなやり方なのか、とても関心があり、あえて個別指導の講師を選んだんです。
 ところが当時、集団塾では教え方のマニュアルが大体できていましたが、個別指導についてのマニュアルはなく、教え方は講師に一任されていました。

 ―どんな工夫をされましたか?
 まず第一に、子どもたちのことを知ろうと思いました。塾生の性格や考え方は、当然全員違います。それを把握するために、授業を始める前の15分から20分くらい、一人ずつと、よく話をするようにしました。これを繰り返していると、「この子はほめると伸びるタイプだな」「この子は、たまにわざとつき離して、ワンポイントでフォローしてあげるのが向いているな」というように、それぞれに適した指導の仕方がわかってきました。

「講師と塾生1対1の授業ですから、ちょっとした“わからない”にも早く気づけ、きめ細かい指導ができます。密度の濃い授業で集中力がつき、講師と2人で一緒に勉強しているという一体感も生まれます」

 ―教材は、どのようなものを使われましたか?
 最初は、教科書のような形式的なものを使っていましたが、「これで本当にいいのか?」という疑問がありました。というのは、子どもたちの学力に合わせて、教材も変えるべきじゃないか、と考えていたからです。そこで、たくさんの教材や問題集に目を通して内容をチェックし、「この子にはこの教材を使おう。あの子にはこれを」というように、個々の塾生に合った教材を選ぶようにしました。
 そうして、子どもたちのことをある程度理解できてから、一人ずつのデータを集約した“個人カルテ”のようなものを作りました。これを分析すると、子どもたちの弱い部分がおのずと見えてきます。そこで、そのウイークポイントを重点的に指導し、苦手を克服するようにしました。そうして不得意な科目や単元をなくすことで、全体的な学力アップにつなげることができました。

 

「すべては一人ひとりの生徒のために!」は、私の理想の指導スタイルそのものでした。

関塾の教育理念に共感

 ―そうした様々な取り組みをされながらも、塾の指導から一度離れ、サラリーマン生活を経験されたそうですね?
 アルバイトだった塾の講師は、大学卒業とともに辞めて、企業に就職しました。会社勤めを何年か経験して新入社員を指導する立場になった時も、塾で実践したノウハウが役に立ちました。新入社員にもいろいろなタイプがいますから、「この社員にはマニュアルが必要だな」とか、「こっちの社員は独自に勉強させるのが向いているな」というふうに、個別に指導するようにしました。
 そんなサラリーマン生活を送りながらも、塾で教えたいという思いは持ち続けていました。一人ずつの学力を把握し、それに基づいた適確で親身な指導ができる環境がないか、模索していたのです。そんな時に出合ったのが、関塾です。関塾の教育に対する考え方は、私が長年、抱いてきた思いと通じるものでした。

 ―先生がずっと追い求めてこられた指導のあり方が、関塾の理念とピタリと合ったんですね。
 関塾がスローガンとして掲げる『すべては一人ひとりの生徒のために!』は、まさに私が追求してきた理想そのものです。具体的には、塾生に寄り添った個別指導でそれぞれの個性を伸ばし、育てること、塾生にとって “プラス”になる塾でありたい、ということです。
 学生時代から、私が目指し、理想としてきた個別指導を実践することができて、今、とても満足しています。

勉強嫌いだった勉学時代

 ―先生の勉学時代についてお聞かせください。
 中学2年生の1学期までは、勉強が大っ嫌いでした。5教科のテストの点数は、ひどいものでした。授業の内容がさっぱり理解できず、わからないままどんどん進んでしまうので、「授業は聞いても聞かなくても一緒」と、完全にやる気をなくしていましたから。授業中に聞きたいことがあっても、手を挙げるのは恥ずかしいし面倒くさいから、「もういいや」と……。
 そんな私の意識が変わる出来事がありました。中学2年の夏前のことです。親戚のおじさんから、「お前のお母さんな、息子の将来がすごく心配やと泣いてたで」と、聞かされたんです。これをきっかけに、「母のためにがんばらないといけない」という思いが生まれました。強烈なパンチを受けた感じでした。

 ―具体的に、どういったことから始められたんでしょうか?
 まず取り組んだのは、ただひたすら書く、ということです。英単語、数学の公式、歴史の年代など、覚えないといけないものは、とにかく書いて書いて書いて書いて書いて、がむしゃらに書きまくりました。中指に大きなペンダコができて、それを削ってはまたできて、また削って……を何度も繰り返したほどです。
 英単語でも公式でも、書いたら書いたものを見て、声にも出してみる……。これを何度もしていると、覚えようと意識しなくても、しぜんと頭に入って暗記できました。成績が徐々に上向きになり、初めて100点がとれました。「僕は、勉強がただ嫌いだっただけなんだ。やればできるんだ」と気づいたら、やる気が出て、どんどん自信がついていきました。

 ―そういったご経験を、指導にどう役立てられていますか?
 勉強嫌いだったので、勉強ができない子の気持ちも、よくわかります。そんな子には、私が勉強がいやで悩んでいた時の気持ちを思い出し、じっくり話を聞いて共感してあげます。私の考えを、できるだけかみくだいて話してあげます。そうしたら、お互いに信頼関係ができて、スムーズにコミュニケーションがとれるようになります。

 ―試験勉強では、どのような工夫をされましたか?
 中学3年になってからは、定期テスト、実力テストの問題を、終わったらすべて見直し、間違ったところは復習し、確実にできるようにしました。授業中は、先生を質問攻めにしました。あまりにしょっちゅう質問するので、先生から「授業が進まないから、放課後に聞きにきなさい」と言われてしまいました(笑)。放課後に質問に行くと、とても丁寧に教えてもらえるんですよ。だから皆さんも、わからないところがあれば、先生に何回でも聞いてください。質問しないでいるのはもったいないです。先生に「また!?」と思われてもいいじゃないですか。わからないところは、自分が十分に理解できるまで、とことん質問しましょう。

 ―クラブ活動はしておられましたか?
 水泳部に所属していました。全国レベルの強さを誇ったクラブで、かなりのスパルタ指導でした。クラブ活動が終わると、クタクタに疲れて、それから勉強するのはとてもつらかったのですが、「今日はここまで!」と自分で決めたところまでは、いくら疲れていても、どんなに眠くても、「何が何でもやる!」という強い気持ちで勉強しました。

「Dr.関塾津田元町校の講師陣は、5教科すべて教えられる先生が多いので、塾生のいろいろなニーズに対応できるのが強みです」

「わからない」を残さない

 ―津田元町校のモットーを教えてください。
 常に、「わからない」を見つけて、すぐさま解決する――。シンプルではありますが、これが一番大切だと思います。津田元町校では、塾生が「わかった」「理解できた」という段階に達するまで、とことん時間をかけて指導しています。「わからない」を完全になくせるように、講師陣が一丸となって、指導にあたっています。
 私個人としては、『一を聞いて十を知る』よりも、『一を聞いて一を実行する』――この考えを子どもたちに伝えています。一を聞いたら、まずその一を実行して覚えよう、ということです。一を聞いて十を知るよりも、その一を確実に実行する方が、より確実にレベルは上がると思うんです。この積み重ねで、基礎の土台ができあがっていきます。そうしたら今度は、標準・応用へと進んでいく――。一を着実に実行すれば、どんどんステップアップできるのではないでしょうか。

 ―お好きな言葉や座右の銘はありますか?
 米沢藩(山形県)9代藩主・上杉治憲(鷹山)が遺した、『為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり』です。この言葉のように、何でもまずは実行あるのみ。考えてばかりでは、一歩も前に進めません。何もしなければ、成功率は0%です。でも、どんなことでもやれば、0・000……1%のわずかではあっても、可能性はあります。子どもたちにはいつも、「何事もまずはやってみよう!」と、行動を起こすことの大切さを話しています。

「Dr.関塾津田元町校の講師陣は、5教科すべて教えられる先生が多いので、塾生のいろいろなニーズに対応できるのが強みです」

 ―最後に、全国の関塾生の皆さんへメッセージをお願いします。
 勉強に限らず、どんなことでも、しっかりとやりきってほしい。中途半端で終わらないでほしいです。
 定期テストや実力テスト、小テストなどで間違えた問題があった時、先生にフォローしてもらったら、それで終わりにしていませんか? 同じ問題をまた出されたら、確実に正解できますか? 私が言いたいのは、わかったつもりではなく、自信をもって「わかった!」と言いきれるまで、とことんやりきってほしいということです。
 先ほどもお話ししましたが、わからないところは、何度でも先生に聞きましょう。今日わからないことは、明日に持ち越さないで、今日のうちに「わかった」にする! どんなにしんどくて疲れていても、「今日はここまでやるんだ」と自分で決めてやりきる! これが大事なんです。今日間違えたところはしっかり復習し、明日やっても、1週間後にやっても、確実にできるようにしてください。
 津田元町校では、「わかるまで教えてほしい!」「もっと先生に質問したい!」――塾生のこんな学びへの意欲と向上心に、常に応えられるように努めています。塾に来た時、帰る時のあいさつなど、最低限の礼儀作法は、積極的に声をかけて指導するようにしています。
 『すべては子どもたちの未来のために』――関塾の先生というのは、この信念に基づいて、塾生の学力アップと心の成長の手助けをしていきたいと思っているものです。なので、皆さんも勉強のことだけでなく、どんな悩みや心配事も、気軽に相談してくださいね!

中途半端で終わってはだめ。何事も自分が納得できるまでやりきろう。