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2019年11月号 特集①

ふしぎと遊ぼう!青少年のための科学の祭典へ出かけよう! in OSAKA

 「科学の魅力を体験できる場を」との思いからスタートした「青少年のための科学の祭典」。本物の科学に出会える機会を1年を通して、全国各地で提供しています。ここでは、来年で30回目を迎える大阪大会「サイエンス・フェスタ」の様子をお届けします。

想像力を育むイベント

 「科学がいかに社会に役立つかを知り、いかに楽しいかを体験を通して知ることで、科学・理科好きな子どもに育ってほしい、とスタートし、来年で30回になります」と、「青少年のための科学の祭典大阪大会」が始まった経緯を話してくれた大会委員長の中田博保先生。参加者総数は、100万人近くを数え、毎年、2日間で幼稚園に通う子どもから、研究機関に勤める人まで、約2万人もの来場者がお目当ての実験や工作コーナーを訪れます。
 実験会場は「ブース」「工作教室」「ステージ」の3つからなり、今年は「ブース」で59種類、「工作教室」で14種類、「ステージ」で3種類の実験が、2日間にわたって行われました。実験や工作の実演、説明を行う出展者の多くが、科学や理科が大好きな中学・高校の科学部や大学生。日頃の学習や研究を発表する場でもあります。また、海外からも、今年は7つの学校・団体の参加があり、国際交流を深める場にもなっています。

“わからない”が、わかる楽しさ

 「初めは来場者として訪れ、その後、学生出展者、スタッフ、ついには出展者を育てる立場として、参加するようになった人も少なくありません」と話す大会実行委員長の豊田將章先生(大谷中学校・高等学校)。先生自身も、お子さんと来場者として訪れたことがきっかけとなり、科学部の生徒たちと共に出展する側になりました。
 出展内容は、出展者や、クラブ員一人ひとりが疑問に思ったこと。どうしてこんな現象が起こるのだろう? 自分たちでも再現してみたい、そんな思いがスタートです。「日常のすべてのことが理科の原理で説明することができ、理科を勉強するのは、目の前で起きたことを説明するためでもある、と生徒たちに話してきました」と言う昨年の大会実行委員長を務めた松本博先生( 羽曳野市立埴生南小学校 教頭)の言葉に大きくうなずく中田先生、豊田先生。
 昨年、豊田先生が顧問を務める大谷中学校・高等学校 科学部は静電気を発生する装置を作って「理科奨励賞」を受賞。実験装置を作るきっかけは、先輩たちが作った装置を見て驚いたのと同時に、自分たちならグレードアップしたものが作れるのではないかと思ったことだそうです。しかし、何度も失敗し、試行錯誤を重ねてもなかなか進みません。そこで教科書に書かれていることをベースに、装置の仕組みを一から理解しなおしたそうです。
 この装置製作に携わった生徒は、「仕組みを理解するのはとても難しかったです。でも、理解できたとたん、装置が順調にできあがりました。サイエンス・フェスタで、この装置にふれ、驚いてくれた小学生の反応が忘れられません」と、話してくれました。来年は来場者をもっと驚かせる装置の出展を目指しているそうです。
 ぜひ、全国各地で行われている、「青少年のための科学の祭典」へ出かけて、展示や実験を楽しんでください。「あっ」と驚くことにたくさん出会えるでしょう。そして、わからないことがあれば、出展者に尋ねてみてください。自然科学の世界が身近なものになること間違いなしです!